湖東焼龍紋染付外縁丸

栃木県に住した目利き愛好家、故石川義夫先生が遺愛され、旧高木コレクションでもあった、湖東焼の最上級の賓作です。呉須と言える胴周りの雷紋の染付、その間に描かれた龍紋図は薄墨染付。大型の盆器として水穴造りにも特色のある古作です。江戸中期、大藩彦根藩の御用窯として大老井伊直弼の時代に隆盛した湖東焼は、明治中期には廃窯になってしまいました。本作は当初伊万里焼の陶工を彦根に招いて開窯した18世紀の陶技を見事に継承した数少ないもので、おそらく湖東最後の陶工4名によって、幕末から明治初期に、湖東焼の技法を結集して制作されたものでしょう。本来美術館などで、保存伝承すべきものですが、旧蔵者のご行為で当サイトでご紹介させて頂きました。