
名器「東福寺」がその釉薬に魅入られた中国広東鉢。今から半世紀近く前、ひとりの趣味家が、失われた広東釉の再現に挑戦した記録があります。交流すら途絶えていた中国広州“広東窯”に自らが赴き、未開未踏の地で真の釉薬鉢の再現に苦闘の刻を過ごしたと記録されています。自身の自家用と言う想いで研究を続けられた本人。売ろうなどと思う事はひとたびもなかったそうです。この為、完成したとされるその盆器は市場に公開される事もなく、静かに歳月と言う中に埋もれてきました。今回、この“幻の名鉢”の貴賓性を見出し、世に喧伝しようと私財を投じて愛好家から割愛を受けた現蔵者の元にこの盆器群は集められました。小店はこの愛好家と仲介を行った専業者のご好意で、僅か数点をご紹介する機会を得ました。
作者が苦難の作陶を重ねた広東の名刹「大岭山」の名を冠した名器達は、まもなく東福寺の生地、京都で開催される「日本盆栽大観展」で、特別企画展示としてその全貌が公開されます。市場にはない奇跡の名器「大岭山」の賓作を、公開に先立ってご紹介します。
作者が苦難の作陶を重ねた広東の名刹「大岭山」の名を冠した名器達は、まもなく東福寺の生地、京都で開催される「日本盆栽大観展」で、特別企画展示としてその全貌が公開されます。市場にはない奇跡の名器「大岭山」の賓作を、公開に先立ってご紹介します。