
鳥取県に産する佐治川石は、“京七石“と共に水石界を代表する産石のひとつとして名高い石です。険しい石相を示すものが多く、遠き昔より、文人墨客の間で賞翫された歴史を有しています。本石は、箱書きにあるように、戦後の帝都水石大家として名を馳せた、飯島龍松庵の旧蔵石です。旧三菱財閥岩崎家を筆頭に、早川家(満州鉄道総裁一族)など、戦前よりの盆栽水石世界で、著名人の出入り方として活躍した、吉村香風園・吉村鋭治翁と交流深い数奇者です。大型の山水景情石の名石を多く斯界に遺し、“龍松庵に駄石無し“とその慧眼深きが謳われた人物で、本石も水石協会重鎮の下に永く愛玩されたものです。際立つ“皺“と呼ばれる石の景は、雄大な景趣の中にも厳しい自然観を能く顕しています。底部の加工はありますが、目に見える石相には一切の人為はありません。
古色を帯びた石肌が、大自然の縮図と共に寂廖感を響かせています。写真のように台座石としても、長手の水盤への設えでも、水石界を代表する一石である事が窺える逸品です。
龍松庵自筆の箱と共にご紹介します。
古色を帯びた石肌が、大自然の縮図と共に寂廖感を響かせています。写真のように台座石としても、長手の水盤への設えでも、水石界を代表する一石である事が窺える逸品です。
龍松庵自筆の箱と共にご紹介します。
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