加茂川紅吹雪石 銘「吉野」

馥郁たる山容の山懐に散りばめられる紅吹雪は、銘“吉野“が物語るように、“ひと目千本“と謳われる山桜の名所を想わせます。“三面の法則“と言われる、水石界において山型石の基本黄金分割が、そのまま現れている逸品です。
旧蔵者は、箱書きにもあるように、水石・樹鉢の大蒐集家として、かの高木美術館創設者、高木禮二氏が、私淑されていたと言う、秋本一廣先生の遺愛石です。
本石は、秋本先生が交誼深かった、“放浪の巨人・水府散人“薄井正志先生より割愛を享けた名石です。