
中国釉薬鉢の中でも、朴訥な形姿で“植えて映る“実用の名器として、古来より目利き愛好家が好んだ広東鉢は、ご紹介する「有興隆」の落款を有するものが、古作優作の代名詞とされています。特に“深物“とされる量感見事な作は数少なく、この“隅切深物”が人気の名器です。国風展などにも過去、深山海棠やカマツカの名樹が合わされた写影が有名です。作品の殆どが実用され、愛好家の所蔵となる中、ご紹介できる僅かな機会です。経年の使い込みの中で、小さなホツなどが散見されますが、大きな疵やニュウなどは無く、有興隆深物の名器としてお薦めできる逸品です。