中央の宝珠に向かいあう青龍二尾。青華は中国明代に完成した、日本で「染付」と呼ばれる陶技による作品です。当時の中国(大明帝国)では、この染付技法からなる作品の殆どは、皇帝の管理下におかれた「官窯」と呼ばれる一般の入手も難しいものでしたが、徐々に国情の衰退によって、民窯が生まれ、海外への輸出も行われました。古美術界での「古染付」は、この明代の渡来品が主で、時には日本側からの依頼による様々な形態の作品も作られました。
本器は、元から明代の様式と技法を持つ盆器ですが、厳密には器形や、焼成状態、胎土などから、後年の清代嘉慶~道光(1800年前後)の作と推測され、鉢内側の「背柱」などから古渡に類する年代が計れます。
外縁上部に描かれた「青波」の紋様、四方の隅に龍の背を模した耳、皇帝用の「官窯作品」ならば、龍の図は「五爪」で描かれるのに対して、敢えて四爪となっている所など、盆器として市井に流通させる目的で作られたものでしょう。五爪の偽物官窯作品が横行する中国古陶磁界、民窯である事を明かしながらも、美しい青華陶器を求めた日本などの素封家達の応需が今に遺した貴重な盆器です。
本器は、元から明代の様式と技法を持つ盆器ですが、厳密には器形や、焼成状態、胎土などから、後年の清代嘉慶~道光(1800年前後)の作と推測され、鉢内側の「背柱」などから古渡に類する年代が計れます。
外縁上部に描かれた「青波」の紋様、四方の隅に龍の背を模した耳、皇帝用の「官窯作品」ならば、龍の図は「五爪」で描かれるのに対して、敢えて四爪となっている所など、盆器として市井に流通させる目的で作られたものでしょう。五爪の偽物官窯作品が横行する中国古陶磁界、民窯である事を明かしながらも、美しい青華陶器を求めた日本などの素封家達の応需が今に遺した貴重な盆器です。