
水石界銅水盤の筆頭 原田峯雲の逸品です。俗に言われる“峯雲2尺5寸の卍透し”とは本作のことです。峯雲は斯界に伝わる名品の中に初代と2代の作品があります。どちらも渾身の力作は名器として伝えられていますが、初代が活躍した明治期のものは、元々水盤としての制作ではなく、花器として造られたものを水石界が見立て使いで残したものです。2代は時勢水石界隆盛の昭和初期、豊香園・香風園などの指導と注文を得た作品で、本作のように後の世、すっきりとした実用名器を多く残しました。卍透し楕円水盤はバブル期に掲載作品と同型のものが、500万~800万で取引されたことで、贋作が出回りました。銅器作家の殆どが、型取り・鋳込み・仕上げを分業で行うのに対し、峯雲は自分の作品への思いで全てを己の手で世に送り出しました。特に仕上げの最も重要な技術である「浚い・さらい」は群を抜く腕で、本作の卍部分のように“抜き”や線がしっかりとしています。直筆の箱書「共箱」が付されていればあと100万以上は評価できるものを、廉価にてご紹介します。大型銅水盤の最高峰をご覧下さい。
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