紅泥雷紋雲足楕円（周汝平作）

古渡盆器の名品と判別が付かないほどの、出来映え、胎土の素晴らしさ、をみせる“中国宜興・現代の名品“と言える逸品です。中国窯業の歴史において、磁器物の名産地“景徳鎮“と並び、泥物でありながらも、数々の美術的名品を世界の美術館に伝える、中国宜興の作品群。
清代全盛期、乾隆帝の頃に無釉でありながら宮廷用にまで登り詰めた“楊季初”を筆頭に、盆栽鉢においても、宜興“紫砂土“は、古渡盆器の代名詞と言えるものでした。
清朝瓦解後、辛亥革命による“民国年代“の盆器制作を経て、現在の中華人民共和国となってからは、往時の“陶都“と呼ばれた時代とは、遠くかけ離れた窯業地になってしまった時代が長くありました。約50年前、当時はまだ国営だった宜興を代表する窯元「宝山」ここで“龍窯“と謳われた、登り窯時代の作陶技術を受け継ぐ名工達が生まれました。
その中の生き残り、現在は国家より“大師“の称号を受けるに至った天才がいます。
周汝平師、茶陶の名手としても名高く、急須ひとつで100~300万の値が付く師。
「宝山窯」のリーダーとして、今回ご紹介するような、“後輩達の見本“としての盆器を僅かに造られています。“梨皮紅泥“と言える現在は大師号レベルの者しか入手出来ない胎土を使った“未来の名器“と言える賓作です。
この盆器を手本に、胎土も含めた汎用作品は、陶工達の手によって、造られています。
使い込むことで、プロでも落款を見なければ、古渡名器と区別が付かない作品をご覧下さい。